進化の過程で感覚器がどう変化してきたかというのも大変面白い。視覚器ははじめ体表に分布した明暗を識別する程度のものだったが,それが次第に集まり,凹みをつくるようになって,光の来る方向を識別できるようになる。そして入口が狭くなって,ピンホールカメラのようになり,それでは光量が不足するのでレンズができて,さらに明暗に対応するため絞り(虹彩)ができた。無脊椎動物の視覚器は皮膚由来,脊椎動物では脳由来だが,両者の進化が結局は似たような構造に落ち着いている(収斂)のも興味深い。哺乳類の視覚器など,カメラとそっくりで,収斂現象は生物の進化の範疇にとどまらないかのよう。すごい。また,進化の過程で使われなくなった感覚器は退化する。典型的なのは,光の届かない地中や深海,洞窟で暮らす生物が視覚器を失っていること。
6月の読書メモ(科学) - Polyhedronの非多面体日記